あなたの勤める会社の業界にも、「業界用語」はないでしょうか?
銀行には、他の業界の人には伝わらないでしょと言う言葉がたくさんあります。
今日はそんな銀行特有の業界用語について、いくつかご紹介したいと思います。
当然ながら銀行以外でも使われている言葉はかなり多いので、社会人になる前に、「あーそうなんだー」程度に覚えておいてもいいかもですね!
Contents
銀行特有の業界用語
ダイテ
まずはネットでも有名なやつから。
女性行員「課長、抱いてください!」
と聞こえるやつで、これは実際に抱いてくださいという意味では当然なく、代金取立手形のことを銀行用語で「ダイテ」と言うためです。
仁義を切る
筋を通しておくこと≒一言連絡を入れておくこと。
上司「トラブルを大きくしないためにも、先に仁義を切っておきなさい」
というような使われ方をします。
思料
「〜だと思います」という意味。
案件の稟議を書く時に頻繁に現れます。
使い方としては、「この取引先は純資産が1兆円あり、財務面は特段問題ないものと思料」のような使われ方をします。
稟議書にはこれ以外にも、「〜するつもり」という言葉として『所存』という言葉もよく使われます。
「今後取引先と鋭意交渉して参る所存。」などの使われ方ですが、このパターンのときは、本当は鋭意交渉する気がない時に使う人が多いです。笑
為念
「念のため」という意味。
同僚のメール「為念のご連絡でございますが〜」
みたいな使い方です。
平仄
まわりと合わせる、辻褄を合わせること。
上司「支社長から有給取得日数の指摘を受けないためにも、他の課と平仄を合わせて、16日は取得しよう。」
みたいに使い方です。これもよく使われます。
ご進講
上司(特に支店長や役員など偉い方)に説明をすること。
お客さんのところに上司に同行してもらう時とかに、事前に訪問目的などを説明しに行くことが多いのですが、そのことを「ご進講」言います。
リスケ
リスケジュールの略。
一般的には予定日の変更のことを言いますが、銀行の場合、そこから転じて「返済計画の変更」のこともリスケと表現します。
たそがれ研修
銀行は50歳を過ぎたあたりから、役員になる人以外(=99.9%以上の人)が関連会社や他社に出向することになるのですが、その出向の準備として「たそがれ研修」という名の研修を受けさせられます。
ここでは新しく行く先で意識すべきことや、自分が今後受け取れるであろう給料や年金などについて整理し、第2の社会人人生について具体的なイメージをさせることが目的で行われています。
太宗
多くの割合を占めていること。
ちなみにこれ、「たいそう」と読みます。
「この会社のBSは現金が太宗を占めている」などの使い方を稟議書とかで使ったりします。これは銀行以外でもよく使われているかと思います。
お礼参り
飲み会の翌日は、上司に「昨日はありがとうございました」と朝一でお礼を言って回る銀行カルチャーからきているものです。
ちなみに有給をもらった日の翌日も、支社長や課長に「お休みありがとうございました」と言うのが当たり前な文化です。
セパ優勝
セクハラ・パワハラを同時にやらかした人のこと。
セクハラとパワハラの頭文字の「S」と「P」をとって、野球っぽく言ってる隠語です。
使われ方としては、「あの人、前の支店でセパ優勝して飛ばされちゃったらしいよ」みたいに使われます。
ただ最近は、銀行もこういうのにかなり厳しくなっており、S系もP系もかなり減ってきています。
期初ダッシュ
銀行は4月から翌年の3月までを1期として捉えているのですが、4月に新しい期に入ってすぐ、営業でスタートダッシュして頑張れという意味で、「期初ダッシュ」という言葉が使われます。
ただ銀行の場合、期初だけではなく、「期末の追い込み」「GW前の追い込み」「年末の追い込み」など、ほぼすべての時期に何かしらのダッシュ・追い込みをさせられるので、永遠にダッシュしているようなもんというのが実態です。笑
外銀・外コンからやってきたと思われる用語
ジャストアイディア
上司「ジャストアイディアだけど、こんな提案はどう?」
「思いつき」という意味のジャパニーズイングリッシュです。
普通に思いつきって言えばいいじゃんと思いますし、どうせ無理して英語使うならjust an idea と「an」を文法的に正しく使いなよと毎回思っていますが、そんなことを指摘したら間違いなく殺されるので、今のところは黙って聞いています。笑
シェイム
上司「お前そんなシェイムな提案するなよ」
恥ずかしい(shame)という意味です。
(初めて聞いたとき、ぼくの方が恥ずかしかったです。笑)
イシュー
問題(issue)という意味。
上司「この案件最大のイシュー何なのかね」
アグリー
同意(agree)という意味。
上司「君の意見にはアグリーしかねる」と使われたりします。
また、たまにヒドいパターンだと、
上司「あーその意見にはノンアグリーだね。考え直してこい」
と言ってこられる方もいらっしゃいますが、それを言うなら「disagree」でしょと思いますが、これももはや聞き流すようにしています笑
エビデンス
証拠(evidence)のこと。
審査担当者「取引先がその資金を正しく使ったというエビデンスを示しなさい」
マター
誰が担い手か、という意味。
上司「この案件は誰マターだっけ?」
ドライバーズシート
マターに似ていますが、「案件の責任者」という意味。
誰が運転席に座っているか=誰が責任者か ということですね。
ボール
担当のこと。
上司「この案件って誰がボール持ってるの?」
ショートノーティス
直前の連絡(short notice)。
メール「ショートノーティスとなり大変恐縮ですが、至急ご回答頂けましたら幸いです。」
オルタナティブ
代替案(alternative)。
上司「この提案じゃダメだ。オルタナティブを示しなさい。」
メイクセンス
納得できる内容になること。
上司「ようやく君の意見はメイクセンスしたな」
カニバリ
カニバリゼーション(cannib)=共食い。
上司「この保険商品は既存の保険とほぼ同じ商品内容でカニバリを起こすからやめておこう」
NR
直帰。No returnの略。
外回りをする営業担当はホワイトボードに自分がどこに行くのか、何時に戻るのかを書き込むんですが、そのまま直帰をする人の中にはNRと書く人がいます。
サマる
サマリー(summary)する=要約するの意。
上司「こんなに参考資料に目を通せないから、簡単にこの案件をサマって。」
ハードネゴ
強く交渉(hard negotiation)をすること。
拠点長「お前ちゃんとお客さんにハードネゴしたのか!」
と営業マンが怒られるやつときによく使われるやつです。
もはや他に誰も使ってないだろな用語
最後に一つ、ぼくが初めて聞いたときに吹き出しそうになってしまったやつをご紹介して締めにしたいと思います。
マグニチュード
上司「その案件のマグニチュードはいくつだ?」
え、地震??って普通なると思いますが、「重要性の尺度」として使っています。
初めて聞いたとき、すごい大事な案件だったんで「マグニチュード7です!」と言いそうになりました笑
※ちなみにこれは外銀の外国人と喋ってるときにも普通に出てきます
まとめ
いかがだったでしょうか。
どんな業界用語であっても相手に伝わらなければ意味がありません。
働き方改革などで働く時間は限られています。
相手が少しでも「ん?」って思うような言葉であれば、非常に非効率なコミュニケーションとなってしまいますので、変に周りの人たちから影響を受けて自分まで業界用語を使わずに、相手にスッと入ってくるような言葉を使っていきたいところですね。
銀行員の働き方にご興味がある方は以下記事もどうぞ。
それでは!
Good Luck!