こんにちは、さぼてんです。
USCPA試験の中でも、「沼る人が多い」と言われる、AUD(Auditing and Attestation)。
監査法人等でお勤めの方には、比較的馴染みやすい科目とも言われますが、英語特有の言い回しやレポート表現に苦戦する人も多い印象です。
この記事では、3科目目としてAUDを受験し、78点で一発合格した私の体験談をベースに、模試スコア、勉強法、スケジュール、各種コツなどを全て公開したいと思います。
- 最小限の努力で、合格点を狙いたい方
- 家庭・仕事と両立しながらの受験を目指す方
- 高得点は必要なく、とにかく合格さえ出来ればいい方
などの参考になれば嬉しいです。
Contents
AUD対策の全体方針
AUDでは「理解と流れ」がすべて。
丸暗記で勝負しようとすると挫折すると考え、特にReportの内容は暗記ではなく、「このReportの目的はXXだから、こういう内容のReportになって、使用される単語としてはYYとかになるのか〜」というようなイメージで覚えていき、本番もそれで十分に対応できました。
X(旧twitter) などでは、ひたすらReportの丸暗記、写経をしてらっしゃる方をお見かけしたりしますが、意味がないとは全く思わないものの、本番で少し捻られただけで対応できなくなるリスクがあるだけでなく、勉強方法としても非効率なため、私個人としてはオススメしておりません。
また、AUDは4科目のなかでも、特に「英語力」がものをいう科目だと感じています。
実際、本番のTBSでは全問Exhibit付きで、速読スキルや、ニュアンス含めた英語の理解力がないと、かなり厳しいだろうなというのを本番中に思ったほどなので、英語力に不安がある方は、そちらの対策もされた方がいいかもしれません。
模試・本番スコア
アビタスの模試と、本番のスコアは以下の通りでした。
- 模試スコア:65点(試験3週間前)
- 本番スコア:78点(合格)
試験3週間前の時点で、個人的には全然仕上がっていないという感覚だったので、予想よりは高い点数に驚きましたが、「合格まで10点を急いで積み上げなければ!」といい感じに気合を入れ直すことができました。
実際の勉強法
私が実際に行った勉強法は以下の通りです。
- 講義を2倍速で視聴
→ FARやBARと違い、計算問題はほぼなく、ひとつひとつ問題を解いてゆっくり理解を深めるよりは、さっさと一周したかったため、この段階ではMCやTBSには手をつけず
→ 内容の理解は浅くてOK。全体像を掴む - テキスト精読(1周目)
→ 監査の流れをイメージ。テキストをぼーっと読んでいると、「自分がいま監査の流れの中のどこを勉強しているのか」が分からなくなりやすいので、監査プロセスの図を片手に勉強。 - MC・TBS(1周目)
→ MCを通しで1周
→ TBSは自分では解かず、ただ解説動画を視聴(仕事や育児にほとんどの時間を使っており、自分で解いていると時間がないと判断したため) - テキスト精読(2周目)
→ この段階では、まだ「???」となるものがある状況 - MC・TBS (2周目)
→ 回答の根拠を意識して読む(正解じゃない選択肢が、なぜ違うかも理解する)。選
→ TBSは、引き続き解説視聴のみ - テキスト精読(3周目)
→ 私の場合は、この段階で急に理解度が上がっていることに気づく - 直前対策講義
→早めにすべてのコンテンツに触れたかったため、この段階で視聴 - RQ(Released Question)7年分
→ 試験傾向をリアルに掴むために、まずは解かずに、回答だけをパラパラと見る
→ その後、実際に解いてみる - 模試(試験3週間前)
→ 4時間の試験を、2時間で解いた - 自作のまとめ資料が完成
→ 以降、このまとめノートの勉強に多くの時間を割くように - テキスト精読(4周目)
- MC・TBS (3周目)
→ 気になる問題のみ - 単位認定試験受験
→ 効率的に単位も取るため、本番前に単位認定試験もこなす - テキスト精読(5周目)
- 本番
私の場合出張が多く、飛行機の中は格好の勉強時間だったので、自作のまとめ資料をひたすら見て、頭にインプットしていきました。
今振り返っても、この飛行機の中での勉強や、隙間時間の活用が一発合格するにあたって、かなり大きかったと感じています。
また、その他強く意識して勉強した重点論点も記載させて頂きます。
特に意識した重点論点
分野 | 対策内容 |
PCAOB/SAS/SSARS/SSAE | 丸暗記レベル。出たら2秒で解けるよう、まとめ資料で勉強 |
Audit Flow(監査プロセス) | 各工程が監査フローの中のどこに位置しているか、常に意識 |
Assertions | 頻出。必ず出ると踏んで重点対策 |
ToC vs ST | 違いを正しく理解することで、出題の意図を外さない |
Report関連 | 丸暗記せず、「構成と流れ」を把握 |
英語表現 | 曖昧な選択肢が多いため、AUD特有のニュアンス読解力を鍛える |
限られた時間で合格するために、勉強では強弱をつけ、例えばマクロ・ミクロのところは出たとしても深いところまでは出ないだろうなと踏んで、軽くしか勉強しない一方、確実に出ると思われるアサーション等は手厚めに勉強しました。
FARの復習すべき論点
- 収益認識
- リース
- 後発事象
使用教材とツール

- アビタス テキスト
- MC/TBS問題集
- RQ(過去問)
- 直前対策講義
- 模試
- 質問教室
- 自作のまとめ資料
アビタスが提供しているMCのアプリを使おうと思い、数問やってみるも、自作のまとめ資料で勉強した方が効率的だと感じ、結局アプリは使用せず。
このまとめ資料は、PCAOB / SAS / SSARS / SSAEの使い分けを網羅しているものになりますが、会計士の小山さんが2022年に公開されていた表をベースに、一つ一つテキストやRQ等と照らし合わせて、
自分の目線で「もしかしたら間違われてしまった?あるいは規定が変更された?」と思ったところを修正したり、ブランクになっているところや不明瞭な点はアビタスに確認して追記など、正確性と情報量の観点で、自分が「このレベルまで覚えれば合格はできるな」と思えるようにアップデートしたものとなります。
この自作資料はnoteにて販売しておりますので、「沼ってしまっている方」「自分でまとめ資料を作成する時間を大幅に省略したい方」「一発合格したい方」は、是非お手にとって頂ければと思います。
本番での時間配分と感想
本番に臨むにあたり、事前に想定していた時間配分と、実際にどうなったかについては、以下の通りになります。
T1 | T2 | T3 | T4 | T5 | |
39問 | 39問 | 2問 | 3問 | 2問 | |
予定 | 45分 (1.1分/問) | 45分 (1.1分/問) | 40分 (20分/問) | 60分 (20分/問) | 40分 (20分/問) |
終了時刻 | 3:15 | 2:30 | 1:50 | 0:50 | 0 |
実際 | 45分 (1.1分/問) | 40分 (1分/問) | 40分 (30分/問) | 65分 (22分/問) | 50分 (25分/問) |
終了時刻 | 3:15 | 2:35 | 1:55 | 0:50 | 0 |
本番中に感じたこと、本番後に感じたことも以下、箇条書きさせて頂きます。
- MCは2択で迷うものもあったが、アビタスのテキストを理解していれば解けるものがほとんどで、正答率8割弱くらいの感触
- TBSは全問Exhibit付きで、かなり文章量が多い。英語が苦手な人は読むだけで時間切れになる可能性あり。正答率7割くらいの感触。
- 本番では「初見問題」も多数。知識の組み合わせや推論で“それっぽい”選択肢を選べる力が必要
↑アビタスの問題集では載っていないような切り口、論点の問題が多く、万が一落ちたとしても対策が難しいなと思いながら、問題を解いていました - 自分が監査人になったつもりで考えることが重要。感覚として「この状況なら何をするか?」を想像するだけで選択肢が絞れた
- 本番直後の感想としては、77点くらいで受かったかもという感触で、実際に78点という結果だった
まとめ|AUD合格へのポイント
- “監査人マインド”で学ぶ(考え方に慣れる)
- 講義・MC/TBS・テキストを「流れでつなげる」
- よく出る基準(PCAOB等)は、まとめ資料で頭に叩き込んで、MCで点を稼ぐ
- 英語読解力・設問意図の把握力が、スコアのカギ
- 沼りやすい科目だからこそ、油断しない
みなさんの参考に少しでもなれば幸いです。
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