現役メガバンク銀行員のさぼてんです。
新卒の方々の就活時期が近づいてきていることもあり、最近は就活生から少しずつお問い合わせを頂けるようになってきました。
あなたも、「いま就活中で銀行について調べているけど、本音ベースで色々知りたいな」と思ったことはないでしょうか?
そこで!
今回はメガバンクで働いているぼくが、頂いた質問を中心にQ&A式で(答えられる範囲で笑)丁寧に解説していきたいと思います!
あくまでも個人の意見ですので、ぼくの情報だけで判断せず、事実を知った上で「自分の頭で考えて」判断して頂ければと思います!
自分の頭で考えて結論を出さないと、あとで後悔してしまうことになるので、是非そのことを意識して頂ければと思います。
Contents
銀行(メガバンク)に関する質問について徹底解説!
面接の回数は?
面接回数は銀行(メガバンク)によって異なりますが、5回から10回程度と考えておけばいいと思います。
また面接をほぼ毎日やることで就活生を拘束し、
・他社に逃げないようにする
・志望度を図る
といった目的もあるようです。
また銀行によってはリクルーターという「軽くお話ししましょう。就活とかの相談に乗りますよ。」という”テイ”の実質的な面接をやるので、こちらも気を抜かないように気をつけましょう。
セミナーに行っている回数を数えている銀行もあるので、本当に志望しているのであれば、とりあえず参加しておくのがいいですね。
面接でセミナーに来なかった理由を答える方がめんどくさかったりしますからね。
年収は?
みんな大好きお金の話ですが、年収は転職会議でまとめられている以下の表が分かりやすいと思います。
(出所:転職会議)
ぼくのイメージだと各年代でこれよりもそれぞれ100万ずつ高いイメージですが、おおむね間違いないと思います。
ただこの表で注意しなければいけないのは、表に入っていない50代の年収です。
というのも、銀行は50代になると役員になる人以外、つまり同期の99.9%の人は出向することになります。
出向とは、関連会社や銀行が融資している先に籍を移すことを言います
一般的に、出向後の数年は銀行時代の年収相当額が保証されるのですが、最後の5年くらいは元の年収の5割から7割程度に落ちてしまうのです。
つまり他の年功序列な日系企業で働いている友人たちが右肩上がりで年収があがっているときに、自分は一気に下がることになり、生涯年収でみると世間一般で持たれているイメージよりも貰えていないことが分かると思うので、そのことは是非事前に知っておいて頂ければと思います。
出向って左遷なの?
出向には大きく分けて2種類あって、
- 若手のうちに行く出向
- 50代に関連会社・他社に移る出向
があります。
出向というと「左遷」なのかな?というイメージを持つかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
前者の若手のうちに行く出向は実は「出世コース」と言われています。
これは、若手のうちに他社で経験・知識を蓄積してもらい、将来の幹部候補として期待しているからと言われています。
なのでドラマ半沢直樹で半沢が出向させられていましたが、あれは左遷ではなくいいコースです笑
また、後者の50代に関連会社・他社に移る出向については、既に述べたように実質全員が経験することになるものなので、そういう意味からも「出向=左遷」ではないのです。
内定者にはどんな人が多い?
内定者の内訳は、一般的に体育会3割、帰国子女3割、それ以外4割と言われていますが、体感ではもっと体育会が多い印象でした。
年功序列で上との接し方を学んできており、ストレス耐性もあると思われている体育会が積極的に採用される理由は、人事の立場に立てばある程度納得できると思います。
そういう意味では、その選考基準を理解して、「自分がいかにストレス耐性があるか、どのようなスポーツをやってきて、周りと円滑なコミュニケーションを取れるか」ということを説明できれば、非体育会でも内定が近づくということです。
なので、人事の立場に立ってみて、「どういう人を自分なら採用したいか」という視点を持ち、それに自分は合致する人間ですというのを示せるようにしっかり準備しておきましょう!
3年離職率30%って本当?
ぼくも就活のときにこの噂は聞いていたので、四季報を手に取り、各銀行の3年離職率を調べた際、「N/A」(Not Available)、つまり非公開と書いているのを見たときは「うわぁ…まじやん…」となったのをよく覚えています笑
で、実際入ってみてどうだったかというと、必ずしもそこまで辞めていないのというのが実感です。
第二新卒で就活をやり直せる時期の3年目までに辞める人は多いですが、私が知る限り3年以内離職率は20%くらいの印象です。
ちなみに辞める人の特徴は、
- 高学歴で、他でもっとチャレンジングなことをしたい人
- 仕事が大変な割には若手のうちは給料がそこまでよくないため、ストレスを抑えコスパよく働くことを展望して公務員系に転職する人
- ストレス等により心身を壊し、退職する人
に大別されます。
銀行はブラックと聞くが本当?
ブラックの定義にもよりますが、「ブラック=激務薄給」という定義であれば、メガバンクはブラックではないと思います。
既に年収の質問で回答した通り、30代で1,000万円代に到達することは多いですし、給与面は申し分ありません。
一方で、仕事の内容の方に目を向けると、常にノルマを背負わされ、目標がいっていないと期末時期が近づくに連れて上司にかなり詰められたりするので、そういう意味では精神的にはきつい部分が多いです。
このノルマに厳しい文化から、「数字は人格」という言葉があり、要は数字(目標達成)が出来ていない人は意見を言う権利はありませんよということです。
また銀行員は契約書を扱ったり、内部事務もかなり多く、細かい作業が求められることからも、精神的負荷はかかっています。
こういうのが得意な人であればいいのですが、細かい作業であったり、緻密さを求められる作業が苦手な人には大変ストレスを感じる職場となってしまうでしょう。
転勤の頻度は?
大体どこの銀行も転勤は2〜3年に一回です。
かなり頻度は高いですよね。
転勤が多い背景は色々ありますが、ジョブローテーションを通して広範なスキルを身につけさせるということや、お客さんと仲が深まりすぎて変な癒着を防ぐためなどと言われています。
家を買うということは住宅ローンを組んでいるということになるから、「地方とか海外に転勤させても辞めないだろう」って考えているんだとぼくは推察しているね。
サービス残業はあるの?
サービス残業は基本的にありません。
勤務時間については、各従業員に付与されているパソコンでログイン・ログアウトの時間が管理されており、その時間に合わせて出退勤時間は申請しているので、サービス残業は実質ありません。
なんなら、「残業時間が増えすぎてしまうから少なめに申請しよう」みたいな某広告代理店のようなことをすると、それはそれでめちゃくちゃ怒られるので、良い意味でそこは厳格にやってくれています。
ただ、一つサービス残業に近いかたちとなってしまっているのは、「お昼休みの時間」の部分です。
お昼休みの時間として、他社同様、一応1時間は与えられているのですが、所属している部署とかにもよるものの、実際に休めるのは20〜30分程度です。。
ただ、営業店のようにノルマを与えられておらず、残念ながら仕事もそこまでできるというわけではない方が集められる部署とかだと、ゆったりとした時間が流れているので、そういうところはきっちり1時間取れていたりします。
それがいいか悪いかは別の話ですが。笑
飲み会の頻度は?
結論から言うと多いです。
銀行員は転勤族なこともあり、異動が不定期に発生します。
またその時期はバラバラで、ほぼ毎月誰かしらが異動となるので、そのたびに飲み会が開かれます。
しかも、普通の会社であれば一人が異動するなら飲み会は全体の送別会1回かな?と思うと思いますが、実際は、
- 異動が決まった日にお祝いの飲み会
- その方の課の飲み会
- 有志の飲み会
- 全体の最後の送別会
などなど色んなくくりを作って基本的に異動される日まで「毎日」飲み会をやります。
なので飲み会代が結構バカにならないです。頑張った残業代の何割かが飲み会に消えると結構悲しい気持ちになりますよ笑
こういうザ・ジャパニーズカンパニーな文化が嫌で辞めめていく人も多いですね。
銀行はオワコンって本当なの?
テレビや新聞でたびたび報道されている通り、マイナス金利が始まって以降、銀行は国内の貸出で収益をあげるのが難しくなり、活路を海外や国内の個人富裕層に求めています。
各銀行がとっている戦略は、銀行HP記載の中期経営計画に必ず書いているので、就活生は必見ですよ!
この「海外」という選択肢がない地方銀行は経営がかなり厳しくなっており、今後地銀の統廃合はさらに進むと言われています。
一方で「海外」という選択肢があり、盤石な顧客基盤(例えば3メガで一番大きい三菱UFJ銀行は国内で個人口座を4,000万口座保有している)を有している3メガは、まだ収益を一定ラインで保つことができています。
ただ収益が下降トレンドなのは間違いないですし、報道にもある通り従業員を削減している動きも活発化しているので、「決して明るいと言えない」というのが素直な感想です。
ただこのように先が読めないのはどの業界でも一緒ですし、「メガバンクが潰れるときは日本が潰れるとき」だとも思うので、潰れることはないだろうと個人的には考えています。
ちなみに、「銀行がリストラを始めた!!」みたいな記事がよく出ていますが、あれは今いる社員をクビにしたりしている訳ではなく、
・旧行の合併の関係で同期が大量にいる今の40、50代の世代が一気に抜けていく
・採用の人数を減らしている
などにより、人数を減らすようコントロールしているということです。
これを「銀行が従業員をクビしている!」と勘違いして面接に臨むと、「こいつ分かってないな」となるので注意しましょう笑
まとめ
- 面接の回数:5回〜10回程度。
- 年収:30代前半で1,000万程度。ただし出向後は激減。
- 出向は左遷か:そうとは限らない。若手の出向はエリートコース。
- 内定者の構成比:体育会4割、帰国子女3割、その他3割のイメージ
- 3年離職率30%か:体感は20%程度。
- 銀行はブラックか:待遇面はかなりいい。一方でストレスは相応にある。
- 転勤の頻度:2、3年に一度。
- サービス残業:なし。
- 飲み会の頻度:特に誰かの異動がある時はほぼ毎日。
- 銀行はオワコンか:メガバンクであれば潰れる可能性は他社比低い。
頂いた質問で本記事では書ききれなかったものについては、【第2弾】というかたちでまた別途記事にしたいと思います。
それでは!
Good Luck!