- 年金の仕組みについてよくわからない
- 年金システムはいずれ崩壊するから、若者世代は年金をもらえないって本当なの?
- 自分が受給できる見込みの年金額を知りたい
- 年金に関してのネガティブなニュースが多くて不安
あなたも年金について、このような不安を抱えていないでしょうか?
この本ではこれらの悩み・疑問に対する具体的な解説が、網羅的かつ簡潔にまとめられています。
本記事では、ネタバレしすぎない程度に、この本を読んでタメになったポイントを3つ抽出して、ご紹介できればと思います。
結論を先に申し上げると、ご紹介したいポイントは以下になります。
- 公的年金の本質は、「保険」である!
- 年金は、繰り下げ受給がお得!
- NISAや確定拠出年金を活用しよう!
それでは、それぞれ具体的にみていきましょう!
Contents
公的年金の本質は、「保険」である!
わたしたちは「年金」というと、ついつい払った金額に対して給付される金額が多いか少ないかというのを気にしがちですが、筆者である田村氏は、そもそも「年金は運用商品のように捉えるべきものではない」と述べています。
というのも、年金を定める法律は『厚生年金保険法』であることからも分かるように、年金の本質はあくまでも「保険」だというのです。
では一体なんのための保険なのかというと、人生の3大リスクである、以下に備えたものになります。
①老齢のリスク:長生きで老後資金が途絶えてしまうこと
②障害のリスク:病気や怪我で働けなくなること
③死亡のリスク:一家の大黒柱が亡くなったときに遺族の生活を守ること
このように、一般的に注目されがちな「老齢リスク」だけでなく、「障害」「死亡」といったリスクにも対応している非常に優秀な「保険」であると捉えることで、年金への見方も変わってくるのではないでしょうか。
よくメディア等では、「年金制度はいずれ破綻する!」などと煽っていることが多いですが、筆者はその心配はないと述べています。
というのも、年金給付は主に現役世代からの仕送り(これを賦課方式と言う)と税金によって賄われているため、仮に積立金がなくなっても支給がなくなることはないということです。
※減額される可能性はあるけどね・・・
年金は、繰り下げ受給がお得!
とはいうものの、どうせお金を払うなら、できるだけ多く還元してもらいたいというのが人間というもの。
では、どのような工夫をすれば年金受給額を増やせるかについてみていきましょう!
公的年金は、原則65歳から受給が始まりますが、この時期を最大5年早める「繰り上げ」と、遅らせる「繰り下げ」という制度が存在します。
「早くもらいたいし繰り上げ一択!」と考える方もいるかもしれませんが、それは早計。
実は年金受給タイミングを早めると、1ヶ月前倒しするごとに0.5%の減額となります。
具体例を出して考えてみましょう。
例えば、本来65歳で70万円/年もらえる予定だった人が、5年(=60ヶ月)前倒しすると、60ヶ月×0.5%=30%の減額となり、年金額は70万円×(1−30%)=49万円/年となってしまうのです。
一方で、繰り下げをするとどうでしょうか。
繰り下げをすると、今度は逆に1ヶ月後ろ倒しするごとに0.7%の増額となるのです!
つまり5年後ろ倒しにすると、60ヶ月×0.7%=42%の増額となり、年金額は70万円×(1+42%)=99.4万円/年となります。
5年前倒しと、5年後ろ倒しとでは年金受給額に2倍以上の差が出ることになるということですね。
にも関わらず、実際に繰り下げ受給をしているのは全体5%もいないとのことです。
一度繰り上げ受給を開始してしまうと、その減額率(上記でいうところの▲30%)は一生ついて回ることになるので、選択する際はその時点のあなたの資産状況や今後の収入見込み等をしっかり勘案の上、慎重に判断するようにしましょう!
「ちなみに繰り下げ受給をした場合には、何歳からお得になるの?」
という疑問を持つかと思いますが、これは何歳まで繰り下げようが、受給開始後から「11年11ヶ月」でお得になるとのことです。
つまり70歳まで繰り下げた場合、81歳1ヶ月まで生きていれば、受給開始を5年遅らせた分の元が取れたことになり、それ以降はどんどんお得になっていくということです。
↓ご参考までに、夫が会社員、妻が専業主婦の場合の公的年金の生涯受取総額の見込みは以下の通りになります。
(引用:マネー研究所)
これを見ただけでも、受給タイミングをいつにするかで受給額に相当差が出ることがよく分かりますね!
NISAや確定拠出年金を活用しよう!
筆者は、「年金の受給タイミングをズラすことで、受給額を増やす」というテクニックも重要だが、年金以外でも老後資金を効率的に蓄える重要性を説いています。
そこで使えるのが、「NISAや個人型・企業型確定拠出年金」の活用です。
特にNISA・つみたてNISAは運用益が非課税になる運用制度で、これはつまり「非課税にしてあげるから、うまく将来用の資産形成に利用してね」という国からのメッセージでもあります。
国から決められた額を支給される年金だけでなく、「じぶん年金」もコツコツと育てていくことで、将来への不安をなくしていきましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか。
要点だけもう一度おさらいしておきましょう。
- 公的年金の本質は、「保険」である!
- 年金は、繰り下げ受給がお得!
- NISAや確定拠出年金を活用しよう!
日本に住む以上は、年金制度と賢く付き合っていく必要があります。
本書は、その賢い付き合い方について学ぶのに最適な1冊ですので、是非手にとっていただき、将来の不安の解消、また今後のアクションプラン策定等に役立てて頂ければと思います。
それではまた!
Good luck!