こんにちは、さぼてんです。
この記事では、限られた時間の中でUSCPA合格を目指す方に向けて、私自身の体験をベースに、効率重視・結果重視の勉強法をご紹介します。
まずお伝えしたいのは、「90点を目指す勉強ではなく、75点を超えて合格するための最短ルートを模索した」という点です。
時間も体力も限られている中で、「家庭と仕事が最優先。でもUSCPAには受かりたい」という方の参考になれば嬉しいです。
無事にUSCPAにストレートで合格することが出来ました…!!
駐在中の業務や家庭とのバランスで大変な時もありましたが、何とかやり切れてよかったです。サポートしてくれた家族には感謝感謝です。 pic.twitter.com/hf9k4je8rn
— さぼてん@英国駐在 (@saboten_usa) May 7, 2025
Contents
この記事でわかること
- なぜUSCPAに挑戦したのか
- 受験時のスペック
- アビタスを選んだ理由
- スケジュール・戦略の立て方
- 科目ごとの勉強法・試験対策まとめ
- 効率的な勉強スタイルの本質
※以下は、USCPAで使ったテキストなどなど。
実際には、これに加えて『英文会計入門』のテキスト・問題集、既に捨ててしまった各問題集の『日本語訳』の冊子や、各種資料などもあったので、なかなかの量があります。
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USCPA挑戦の理由
USCPAに挑戦するか検討をしていた当時、駐在に帯同してくれている妻子持ちであったこともあり、時間も体力も使う試験に軽い気持ちで挑むことはできない状況であったため、GAILSという英国のチェーンカフェに週末に行き、
「挑戦するに値する理由」、および「それにより失う可能性があるもの」など、頭の中にあるものを、まずはバーっと紙に書き出すという作業を2週間ほどしていました。
その時に挙がった挑戦すべき理由は、細かいものを入れると20個ほどあったのですが、その一部を抜粋すると以下のようなものとなります。
- 名刺に「USCPA」と記載できるようにすることで、海外のビジネスの場で舐められないようにしたい
- 会社に依存しないよう、専門性を身に付けたい
- 100万円以上かかるが、駐在中であることから一瞬で回収できる
- 将来何かあったときに、「自分のこれまでのキャリア+USCPA」があれば、最悪どこかは採ってくれて、家族を食わせることは出来るだろう
- 駐在中の業務と子育てで大変だが、敢えて自分に負荷をかけてチャレンジしてみたい
これらを総合的に勘案した結果、私にとっては、USCPAはコスパ・ROIが高く、挑戦に値すると判断し、妻の承諾も得た上で、すぐにアビタスに申し込みをしました。
USCPAは一発逆転系の資格ではなく、あくまでも自身のキャリアを補完するものだと考えています。
いまお勤めの会社が、かなり規模が小さく、且つブラック、みたいな環境であるのなら、USCPAをとって上場企業の経理や、監査法人に転職することで、人によっては「一発逆転」ということにもなるかもしれませんが、そうでない場合は、変にこの資格に過度に期待しすぎないようにした方がいいかな、と私は思っています。
受験時のスペック
受験時の私のスペックとしては、USCPAに関連するものに限定すると、ざっくり以下の通りでした。
- 英語:
ネイティブレベル(海外在住経験あり。受験時も英国駐在中) - 会計:
簿記2級 - 実務経験:
監査法人や経理職のような、The 会計な経験はなし。
一方で銀行で働いていたことがあり、「感覚」はある程度備わっている状態。
但し、銀行員はイメージとは裏腹に会計については素人レベルなため、簿記の知識から積み上げていくことに。
上記のように、私自身のキャリアはUSCPAとの親和性が比較的高いものであったため、フェアに言うと、社会人経験がまだない学生や、事業会社で営業のみやってきました、というような方々と比べると、スタート地点という意味では若干有利であったと考えています。
これは雑感ですが、試験を通して感じたこととして、英語か苦手だと、それが原因で結構苦戦してしまうだろうなと感じました。
アメリカ人の方が日本人よりも短い勉強時間で受かっているのも、正直USCPAの勉強内容自体はそこまで極端には難しくない中で(決して簡単という意味ではないです)、日本人は英語で苦戦していることも、大きな要因の一つだろうなと。
現にネイティブレベルと恥ずかしながら自称してしまっている私も、BARの試験本番で知らない単語が出てきたときに、「この問題が聞きたいのはどっちだ… それさえ分かれば答えは分かるのに…」となった経験があり、英語ゲーの色彩が強いAUDとかだと、そりゃ沼る人も多いだろうなと理解ができます。
予備校はアビタス一択だった理由
予備校については、
- 合格者数、占有率の実績
- 同僚など、周囲の合格者が全員アビタス
という理由で、ほぼ迷うことなくアビタスでいくことを決めました。
一方で、アビタスには実質的に競合と言えるほどの規模の先がないがゆえの課題もあると感じており、その辺りは以下記事に簡単にまとめましたので、気になる方はご参照ください。

当初想定受験スケジュールと、その後の変化
- 当初は、旧FAR→旧BEC→AUD→REGを想定していたが、実際にはすべて、2024年以降の新制度(EVO)で、 FAR→BAR→AUD→REGの順番で受験
- これは、既に勉強に着手していた旧FARの勉強内容で大部分対応することができる、新FARと新BARを一気に倒した方が楽だろうと考え、戦略を柔軟に調整したもの
- これを受け、当時2023年に旧FARを受けようと思っていたものを、2024年初めに倒したことで生まれた時間を、仕事と家庭に振り向けることが出来た
このように試験制度の変更があったため、新旧試験制度の範囲と想定難易度を考え(蓋を開けてみないと分からないものもあったため、一種の賭け)、私の場合は業務の状況もみながら、上記のように戦略を柔軟に変更しました。
結果的に家庭、仕事、資格勉強のそれぞれに、バランスよく時間を割くことができ、この戦略が上手くいったと振り返っています。
【選択科目として、BARを選んだ理由】
- 当時、アビタスは選択科目の中ではBARを強く推しており、まだ各科目の合格率等のデータが出ていなかったなど、判断材料も少なかったことから、「であれば、仕事にも活かせるBARにしよう」ということで、BARを受験することに。
- ただ、今のところTCPの合格率がかなり高く、BARが一番低いというのが続いているため、あくまでも合格することが最優先な自分がもし今受けるなら、TCPを選んでいる可能性は大いにあります。
普段の勉強時間・スタンス
「勉強時間はどうでもいい。理解度と密度がすべて」
というのが、学生時代からの私の基本的スタンスであり、それは今回のUSCPA受験にあたっても同じでした。
SNSを見ていると、言い方は悪いですが、「今日は何時間勉強しました!」などの投稿を高頻度であげている人よりも、“静かに受ける人” の方がすんなり受かっているように感覚的に感じていましたが、
恐らく勉強時間が知らぬ間に目的化してしまっている人が多いことが原因だろうなと思っており、大量の勉強時間を投下しなくても効率よく受かる方法のヒントが、少しでもご提供できればと思っております。
具体的な私の勉強スケジュール等は、別記事をご参照頂ければと思いますが、ざっくり言うと以下のイメージでした。
- 平日:初期は4時間(平日5日間の合計時間)、直前期は5時間(同)
- 休日:初期は6時間(休日2日間の合計時間)、直前期は12時間(同)
- 上記の通り、1週間あたりの合計だと初期は週10時間程度、試験3週前くらいからの直前期は17時間程度
一般的には週25時間の勉強が合格にあたっての最低ラインと言われているなかで、それと比べると私の勉強時間は少ない方となっています(勉強時間は重視していなかったため、それがいいとも悪いとも思っていませんでした)。
私も時間がある学生とかであれば、恐らく勉強時間を増やし、例えば8ヶ月程度での短期合格を目指したりしていたと思いますが、私の場合、
- 駐在中の業務が忙しいこと
- 家庭の時間を優先したいこと(土日に勉強ゼロなこともザラ)
が理由で、このくらいの勉強時間がそのバランスを取るには、ちょうどいいレベル感となっておりました。
単位認定試験についての考え方
- 単位取得することのみを目的として設定し、「さっさと受ける」が正解
※完璧に仕上げようとして、受けるまでモタモタしてしまう人もいるようですが、これは受験資格を満たすためだけのものであり、事務的なものと割り切ってとっとと受けてしまいましょう
. - 本試験の各科目の勉強の際に、その科目に対応する単位認定試験を受験する(あとでもう一度同じ範囲の勉強をする、という非効率を避けるため)
. - 単位認定試験のためだけの勉強をしたくなかったため、勝手に解けるであろうレベルになっている本試験の2-3週間前に受ける
単位認定試験のレベル感としては、正直アビタスのMCのA問題を1周すれば合格自体は余裕なレベルなので、とにかくここで足を止めないようにすることをおすすめしたいです。
厳しい言い方かもしれませんが、ここで苦労するようですと、完走まではなかなか大変な道のりになると思います。
ただ、もしご自身のキャリアの中で、「いずれMBAに行きたい」など考えていらっしゃる場合は、GPAを上げておくために一定程度慎重にやるというのは、はっきりした目的があるので、もちろん全然いいと思います。
科目別の勉強法・戦略
勉強の進め方については、基本的には「アビタス等の予備校で推奨している実績多数な王道的な勉強法」をまずはしてみることをオススメしますが、
私のように「家庭と仕事が最優先なので、最小限の時間・努力で合格したい」等の事情がある方の参考になればと思い、私がやった勉強法をご紹介できればと思います。
私自身は、
「資格試験は、とにかく受かればなんでもいい。
なので90点を目指す勉強方法ではなく、75点を超える勉強方法で取り組む」
という考え方で、運の要素も大いにありますが、一般的なケースよりは少ない勉強時間でストレート合格をすることができましたので、何か少しでも参考になれば幸いです。
ただ、ご紹介する勉強方法はあくまでも私に合った勉強法であり、皆さん勉強や英語の得意・不得意、これまでのキャリア等々、千差万別ですので、いいなと思ったところは盗み、そうでないところは無視など、各自に合った勉強法にアレンジしていっていただければと思います。
全科目共通の勉強法
全科目で共通する勉強法については、以下の記事をご参照ください。

科目ごとの勉強法
科目ごとの模試点数・本番点数・使用教材・時間配分・攻略法については、以下各記事にすべてまとめています。
ご自身の戦略の立て方の参考にして頂ければと思います。
テキスト・問題集・RQ・ネット・アビタスの質疑等を用いたうえで、かなりの時間をかけて作成したAUDとREGのまとめ資料(公開・非公開企業FS監査の違い、組織形態の整理など)については、別途noteで紹介しておりますので、
「沼ってしまっている方」「最短で合格したい方」「本資料をまとめるための何時間もの時間を省略したい方」など、時間を買いたい方は是非ご検討頂ければと思います。
尚、 ご参考までに個人的な感覚としては、精神的負担も考慮した科目別難易度は、
FAR>>>BAR>AUD>>>>REG
でした。
どの科目も勉強内容自体は、そこまで特別難しいという訳ではないのですが、FARについては初めて受ける科目で、USCPAの試験がどんなものなのか未知な状態で望むため、その意味で精神的に負担が他よりも大きかったものになります。
AUDは沼っている人が多い一方で、アメリカ人の中には「AUDが一番簡単だ」と言う人が多いとも聞いており、その意味ではこれは意外といけるかもなと試験に臨む前から感じていました。
そしてREGについては、既に3科目受かっていたこともあり、「もうここまできたら、仮に1回落ちたとしても、完走は間違いないな」と思っていたため、精神的に余裕があったことに加え、勉強内容もただの暗記ゲーで、頭を使うような科目でなかったことから、他科目に比べて圧倒的に楽に感じました。
試験当日の過ごし方や心構え
ここまで学習計画や問題演習の戦略について述べてきましたが、「本番当日のルーティーン、心構え」も非常に重要です。
- 試験当日は何を食べるか
- どのタイミングでエネルギー補給をするか
- 時間配分をどう意識するか
- 初見の難問が出たときにどう対処するか
こうしたポイントに事前に気を配っておくことで、焦りやミスを最小限に抑え、持っている実力を最大限に発揮することができます。
私自身が全科目共通で実践していた「本番当日のルーティンと立ち回り方」について、以下の記事に詳しくまとめましたので、受験を控えている方は、試験直前期〜当日までに一度目を通しておくことをおすすめします。

最後に
ここでご紹介した勉強法は、あくまでも「仕事・家庭」を両立させながら、効率重視・結果重視でUSCPA合格を目指した、私の目的に合わせたやり方です。
皆さんそれぞれのバックグラウンドによって、当然アプローチは変わってきますが、「ここは参考になるな」「そういう考え方もあるのか」と思っていただけるようなものなど、何か一つでも参考になるものがあれば幸いです。
皆さんが完走されることを祈っております。



